伊達、ストレート負け=全豪オープンテニス
伊達、4大大会14年ぶりの白星ならず ストレート負け=全豪オープンテニス
スポーツナビ - 2010/1/20 10:41
テニスの全豪オープン第3日は20日、オーストラリアのメルボルン・パークで行われ、女子シングルス1回戦に登場したクルム伊達公子(エステティックTBC)は、22歳のヤロスロワ・シュウェドワ(カザフスタン)に4−6、2−6で敗れ、4大大会では14年ぶりとなる白星を飾ることができなかった。

おっぱいテニス
クルム伊達、敗戦の中で見えた未来への光
全豪オープンテニス第3日
2010年1月21日(木)
全豪オープン第3日 伊達は、シュウェドワにストレート負けを喫し、初戦突破ならず
今からちょうど1年前。かつての伊達公子が“クルム伊達公子”として13年ぶりに全豪オープンのコートに戻って来たとき、世界的に著名なテニスジャーナリストであるバド・コリンズ氏は、クルム伊達の復帰物語を、このようなタイトルで記事につづった。
『過ぎし日の、準決勝進出者の幻影を目撃――キッド・バタフライ』
“キッド・バタフライ”とはもちろん、“蝶のように舞う”と形容された全盛期の伊達公子に、海外プレスが与えたニックネーム。
40度を超す灼熱(しゃくねつ)の日差しの下、とうの昔に消えたはずの、陽炎(かげろう)のごとき蝶の幻を目撃した――とは、さすがは繊細な筆致で知られるベテランジャーナリスト。美しい描写をしてくれたものだ……と、クルム伊達の雄姿ともども、この記事も鮮烈に記憶に焼きついた。
■ファンが追っていた1年前の幻影
それから、1年後の2010年。簡易スタンドが取り付けられただけのコートを何重にも囲んだ多くの日本人ファンが追っていたのは、1年前の幻影だったのかもしれない。
昨年の同大会で予選を勝ち上がり、復帰後初のグランドスラム出場を果たしたクルム伊達は、当時ランキング28位のカイア・カネピ(エストニア)と初戦で対戦。パワーはあるが、決して動きは軽快と言えない巨体選手を向こうに回したクルム伊達は、得意のライジングで相手を翻弄(ほんろう)。3時間近くの大熱戦を戦い切り、結果はフルセットの惜敗だった。
対して今年、初戦の相手となったヤロスロワ・シュウェドワ(カザフスタン)は、ランキング的にはカネピよりも下の52位。そして何より、昨年184位だったクルム伊達のランキングは、現在61位にまで跳ね上がっている。前哨戦のメディバンク国際ではナディア・ペトロワ(ロシア)を撃破し、世界7位のビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)をも剣が峰に追い詰めるなど、ここまで絶好調との情報も期待に拍車をかける。昨年の数字と今年のそれを照らし合わせ、多くのファンや観客は「クルム伊達が勝つもの」と思っているかのような雰囲気が漂っていたのだ。
■シュウェドワが見せた試合巧者ぶり
だが、シュウェドワは伊達にとって決して組みやすい相手ではなかった。「テニスに良い環境と条件を用意してくれたから」とカザフスタン国籍を選択した22歳は、安定感に欠くためランキングこそさほど高くないが、ポテンシャルの高さは折り紙つき。長身からはじかれるサーブやストロークは威力があり、同時にコースの打ち分けや、スピンをかけ高く弾むショットも得意とする。その強烈かつ多彩な攻撃は、昨年8月の全米オープンで、トップシードのエレナ・ヤンコビッチ(セルビア)をきりきり舞いさせた。
クルム伊達も、試合前に相手のプレーをビデオで見て分析し、「クロスからダウンザラインに持ってくるのがうまい。バックもスライスと、高く弾むスピンの両方がある」というデータは、頭に入っていた。
だがこの日のシュウェドワは、そこに加えてドロップショットやロブも効果的に使ってきたのだ。早いタイミングでボールをとらえる伊達の長所を殺すかのように、球種、コースともに変化を付けて揺さぶりをかけ、リズムをつかませない。数日ぶりに猛威を放つ太陽が照りつける中、試合巧者ぶりを発揮したのは、22歳の対戦者の方だった。日の丸の旗や「GOGO伊達」と書かれた横断幕を手にし、クルム伊達が好調時には大きな声援を上げる日本人応援団も、試合が進むにつれ、徐々に声を失っていく。
そうして試合開始から、1時間20分後。スコアは4‐6、2−6。試合時間も内容的にも、昨年の姿と重なる場面は少なかった。
■来年40歳での再挑戦を笑顔で約束
試合後のクルム伊達は、意外なほどにすっきりとした表情で会見に臨んだ。「相手が良かった。あのテニスをコンスタントにできれば、20位以内に入っている選手」との言葉は決して強がりではなく、実感のはずだ。
表情が明るい理由の一つとして、昨年散々苦しめられた足の痙攣(けいれん)が、この真夏の南半球シリーズでは出ていないこともあるだろう。「昨年の秋から米国の医師に診てもらい、彼を信頼して改善に励んできた。その効果が出ているようだ」とは本人の弁だが、先を見据えての長期治療が奏功しての大前進。「ランキングも上がって、トーナメントに本選入り出来るようになった。昔はグランドスラムの2週目に残るのが普通だったが、ようやく今、その入口に戻って来た感じ」と、かつての世界4位は目に力を宿らせる。
周囲は過去にとらわれ、つい身勝手な幻影を追いがちだ。だが、クルム伊達が見ているものは常に未来にしかない。
「来年、40歳としてこのコートに戻ってきてくれますか?」
たずねる地元メディアに、39歳は間髪入れずに、笑顔で応えた。
「そうしたいと思います。けがさえなければ……ね」
X-Galleryはこちら!

スポーツナビ - 2010/1/20 10:41
テニスの全豪オープン第3日は20日、オーストラリアのメルボルン・パークで行われ、女子シングルス1回戦に登場したクルム伊達公子(エステティックTBC)は、22歳のヤロスロワ・シュウェドワ(カザフスタン)に4−6、2−6で敗れ、4大大会では14年ぶりとなる白星を飾ることができなかった。

おっぱいテニス
クルム伊達、敗戦の中で見えた未来への光
全豪オープンテニス第3日
2010年1月21日(木)
全豪オープン第3日 伊達は、シュウェドワにストレート負けを喫し、初戦突破ならず
今からちょうど1年前。かつての伊達公子が“クルム伊達公子”として13年ぶりに全豪オープンのコートに戻って来たとき、世界的に著名なテニスジャーナリストであるバド・コリンズ氏は、クルム伊達の復帰物語を、このようなタイトルで記事につづった。
『過ぎし日の、準決勝進出者の幻影を目撃――キッド・バタフライ』
“キッド・バタフライ”とはもちろん、“蝶のように舞う”と形容された全盛期の伊達公子に、海外プレスが与えたニックネーム。
40度を超す灼熱(しゃくねつ)の日差しの下、とうの昔に消えたはずの、陽炎(かげろう)のごとき蝶の幻を目撃した――とは、さすがは繊細な筆致で知られるベテランジャーナリスト。美しい描写をしてくれたものだ……と、クルム伊達の雄姿ともども、この記事も鮮烈に記憶に焼きついた。
■ファンが追っていた1年前の幻影
それから、1年後の2010年。簡易スタンドが取り付けられただけのコートを何重にも囲んだ多くの日本人ファンが追っていたのは、1年前の幻影だったのかもしれない。
昨年の同大会で予選を勝ち上がり、復帰後初のグランドスラム出場を果たしたクルム伊達は、当時ランキング28位のカイア・カネピ(エストニア)と初戦で対戦。パワーはあるが、決して動きは軽快と言えない巨体選手を向こうに回したクルム伊達は、得意のライジングで相手を翻弄(ほんろう)。3時間近くの大熱戦を戦い切り、結果はフルセットの惜敗だった。
対して今年、初戦の相手となったヤロスロワ・シュウェドワ(カザフスタン)は、ランキング的にはカネピよりも下の52位。そして何より、昨年184位だったクルム伊達のランキングは、現在61位にまで跳ね上がっている。前哨戦のメディバンク国際ではナディア・ペトロワ(ロシア)を撃破し、世界7位のビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)をも剣が峰に追い詰めるなど、ここまで絶好調との情報も期待に拍車をかける。昨年の数字と今年のそれを照らし合わせ、多くのファンや観客は「クルム伊達が勝つもの」と思っているかのような雰囲気が漂っていたのだ。
■シュウェドワが見せた試合巧者ぶり
だが、シュウェドワは伊達にとって決して組みやすい相手ではなかった。「テニスに良い環境と条件を用意してくれたから」とカザフスタン国籍を選択した22歳は、安定感に欠くためランキングこそさほど高くないが、ポテンシャルの高さは折り紙つき。長身からはじかれるサーブやストロークは威力があり、同時にコースの打ち分けや、スピンをかけ高く弾むショットも得意とする。その強烈かつ多彩な攻撃は、昨年8月の全米オープンで、トップシードのエレナ・ヤンコビッチ(セルビア)をきりきり舞いさせた。
クルム伊達も、試合前に相手のプレーをビデオで見て分析し、「クロスからダウンザラインに持ってくるのがうまい。バックもスライスと、高く弾むスピンの両方がある」というデータは、頭に入っていた。
だがこの日のシュウェドワは、そこに加えてドロップショットやロブも効果的に使ってきたのだ。早いタイミングでボールをとらえる伊達の長所を殺すかのように、球種、コースともに変化を付けて揺さぶりをかけ、リズムをつかませない。数日ぶりに猛威を放つ太陽が照りつける中、試合巧者ぶりを発揮したのは、22歳の対戦者の方だった。日の丸の旗や「GOGO伊達」と書かれた横断幕を手にし、クルム伊達が好調時には大きな声援を上げる日本人応援団も、試合が進むにつれ、徐々に声を失っていく。
そうして試合開始から、1時間20分後。スコアは4‐6、2−6。試合時間も内容的にも、昨年の姿と重なる場面は少なかった。
■来年40歳での再挑戦を笑顔で約束
試合後のクルム伊達は、意外なほどにすっきりとした表情で会見に臨んだ。「相手が良かった。あのテニスをコンスタントにできれば、20位以内に入っている選手」との言葉は決して強がりではなく、実感のはずだ。
表情が明るい理由の一つとして、昨年散々苦しめられた足の痙攣(けいれん)が、この真夏の南半球シリーズでは出ていないこともあるだろう。「昨年の秋から米国の医師に診てもらい、彼を信頼して改善に励んできた。その効果が出ているようだ」とは本人の弁だが、先を見据えての長期治療が奏功しての大前進。「ランキングも上がって、トーナメントに本選入り出来るようになった。昔はグランドスラムの2週目に残るのが普通だったが、ようやく今、その入口に戻って来た感じ」と、かつての世界4位は目に力を宿らせる。
周囲は過去にとらわれ、つい身勝手な幻影を追いがちだ。だが、クルム伊達が見ているものは常に未来にしかない。
「来年、40歳としてこのコートに戻ってきてくれますか?」
たずねる地元メディアに、39歳は間髪入れずに、笑顔で応えた。
「そうしたいと思います。けがさえなければ……ね」
X-Galleryはこちら!







