映画レビューは “アトリエミシェルの製作&柴犬ブログ”にて更新中。 http://ameblo.jp/atelier-michelle/

2012/11/8

萬斎ありき!  映画

史実に基づく傑作脚本
『のぼうの城』


感想がいっぱいありすぎて何から書いていいのやら、という映画だった。

まずはキャスティングがみごと。
『陰陽師』野村萬斎をキャスティングした人は天才だと思ったが
この映画も野村萬斎ありきで作ったのではないかと思うほどだった。
他の人では有り得ない!
他の俳優もみんなうまかったが、どのキャラも別の役者でもイケると思える。
ちなみにこの『のぼうの城』は、脚本城戸賞を取ってから
映画化を前提とした小説に、さらに連載漫画化されたらしい。

“水責め”という戦法がテーマだったため上映をかなり延期しての封切りなのだが
冒頭からかなりショックを受けた。今の日本にはまだまだむごい映像だ。

戦のシーンがハリウッドにも負けないリアルさで、
技術は高いがかなり残虐。コミカルに描いてもいるので
ちょっと笑えるのが怖かったりする。

人物の脚色がさすが! どの武士にも魅力があり、
それぞれのキャラクターがストーリーをうまく展開していく。
あの戦法で実際に勝てるのかどうかはやはり疑問だ。

ミュージカルスターの市村正親
『十三人の刺客』の時同様、堂々たる武士っぷりで、
今回の秀吉役の豪快さに惚れ惚れ。素っ裸の演技も豪快だ!
『テルマエロマエ』でも大活躍で…すごい俳優だな、全く。

野村萬斎演じる“(でく)のぼう”こと成田長親と3人の家老、
豊臣側の秀吉、石田三成などの攻防・策略は、現代の会社内での人間関係と変わらないことに気づいた。
企業のトップの下には従うだけの者がつき、能のあるものはいない。
仕事のできる人間は逆らっても進んでいくので上とぶつかる。
そのため図られて出世を阻まれる、もしくは早々に去るか。
以前読んだ、野口整体の本になるほどなことが多々書いてあり
その中に「会社に残るのは仕事のできない者ばかりで
いてほしい者は辞めていく」
と言い切ってるのがスゴイ。
(さらに余談だが「精神面で役に立つのは精神科医よりも腕のいい弁護士」のくだりは200%納得の話だった)

“のぼう”は農民たちに慕われているのだが、会社で慕われるイイ人は、映画とは違い、結局何もしないからイイ人なワケで、決して他人のために戦わない。うらやましい存在だな、なりたくないけど。

とりあえず、この映画はそんないろいろなことを考えてしまうほどに深いということだ。

このお城は埼玉の行田市にある忍城(おしじょう)で、
エンディングに現在の風景が何カットも映し出される。
そこに、エレファントカシマシの力強いテーマ曲
『ズレてる方がいい』
が流れるとなぜか泣けてくる。

最近やけに多い気がする時代劇のドラマや映画を見ていると
歴史の授業はもっともっとおもしろくできるのに!と思う。
年号と人物名、出来事名を暗記するだけでは
何も理解できないし、とにかくつまらない。
どの時代にも、今と同じ人間の感情があり、
今普通にあるものが全くない世界でどう生きていたのか
を知るのが歴史ではないだろうか。

野村萬斎にはこれからも注目だー。

次に『悪の教典』!観るべきか、読むべきか…
『任侠ヘルパー』予告を見ただけで泣けたし。
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