映画レビューは “アトリエミシェルの製作&柴犬ブログ”にて更新中。 http://ameblo.jp/atelier-michelle/

2012/12/11

終戦の功労者  映画

強制収容所にまたひとつの実話
ヒトラーの贋札('07)


1936年、戦時下のドイツは資金難だったらしい。
ベルンハルト作戦という贋札(にせさつ)作りのため
逮捕されたプロの贋作師ユダヤ人のサリー
強制収容所に送られる。
技術者である何人かが集められ洋服を与えられる、
もちろん収容されている人から奪い取ったものである。
収容された棟にはすでに働いている人たちがたくさんいた。
清潔なベッドがあり、シャワーも使える。
観たいと思う人はこの先は鑑賞後に。
特に秘密はないので読んで見ても観ごたえはあると思います。


サリーはまずイギリスのポンド紙幣を完成させ、
厳しい審査もパスする。
こういう場ではあっても、プロの贋作師としての
プライドがサリーに完璧な仕事をさせるのだろう。
印刷技師ブルガーは最初に上着を与えられた時に
縫い付けられていた同胞のネームタグを見て受け取らず、
ユダヤ人としてのプライドを持ち続けていた。

造ったポンド札は
総額1億3200万(英国の外貨基準額の4倍相当)になるとか。
次に米ドルの紙幣作りを急がせるドイツ将校の思惑に
ブルガーは、何だかんだと言い訳しながら
サボタージュすることで対抗する。
完成しないことにしびれを切らした将校は
4週間で完成しない時は5人を処刑すると脅しをかけてきた。
もうギリギリになって、焦るサリーだったが
仲間の密告を阻止し、一人作業に励んで
ギリギリで完成させた。処刑はまぬがれたのである。
若い仲間が結核になった時もひたすら隠して守ろうとしたり、
犯罪者であるはずのサリーのヒーローぶりは
映画のための創作かと思うが、
この作品は、印刷技師ブルガーの著書が原作となっている。
さっそく読まねば!と図書館で取り置きしてもらっている

ドル札が完成してすぐ、ドイツ将校たちはあわてて
印刷機械などを移送し始めた。
連合軍が迫っていたのだ。迎えたのは敗戦。
紙幣作りを遅らせたおかげで戦争が終焉を迎えたということ。

あっさりと置き去りにされたサリーたちが収容棟を出ると
そこには痩せこけて真っ黒に汚れた同胞たちの姿があった。
常に塀のすぐ外で銃殺される音を恐怖に震えながら聞いていたものの
外の現実を見たのは何年ぶりだったのか。
同じ収容所内でも、技術を持つものとそうでないものの
暮らしは天国と地獄だったのだ。
言葉では豚のように扱われていたが、
待遇だけは収容所としては夢のような場所だった。

どの映画を見ても収容所での銃殺シーンは
まったくためらいがない。
戦場とはまた違った“差別による安心”
いじめの構造とたぶん全く同じなんだろう。
ヒトラーみたいな奴さえ現れなければ
概ね人は善人だと信じたい。
0

2012/12/5

007よりもこっち?  映画

「いま、ダニエル観るなら007じゃなくてこっち…」
クリックすると元のサイズで表示しますというレビューを見てたまらず
ドリームハウス
を観に行きました!


クリックすると元のサイズで表示します4日前に見た007とはガラリと変わり、
いきなり良いパパぶり、ステキな夫ぶりをこれでもかと見せつけられるので、
少々テンションが下がるのは仕方がない。

ちなみにこの夜『慰めの報酬』が放映された。
孤独すぎるボンド
ちょっとくらい優しい言葉をかけてあげんかいМ! とか、
息つく暇もない危機に悲鳴をあげっぱなしだった。
映画館ではできない感情表現ができるので自宅鑑賞はいい。

さて、
仕事人間だった有能な編集者ウィル・エイテンテンが会社を辞め
夢のマイホームに戻ると妻は大喜び、二人の娘も大はしゃぎ。
これはよくある設定。
ところがこの家には、かつて一家惨殺事件という過去があった。
これもよくある設定。
周囲に不審人物が現れたり、街の人の目も何かおかしい。
これもあるある
(もちろんそんな中にも随所にヒントが隠されている)。
予告では、呪われた家の話のように思えるが、
監督が『父に祈りを』『マイレフトフット』ジム・シェリダンなので
人間ドラマの要素が強い。
見逃していた監督作『マイブラザー』がますます観たくなった!
トビー・マグワイアジェイク・ギレンホールが兄弟を演じる、
戦争のもたらす悲劇を描いた作品である。
クリックすると元のサイズで表示します
この共演で、ダニエル・クレイグ
妻役のレイチェル・ワイズと本当に結婚してしまった。
レイチェル・ワイズは『ナイロビの蜂』(必見!)で本当にいい映画に出て、
『ラブリーボーン』での母親役で素晴らしいと認識した女優。

これから観る予定の人や、
今後観るときのためには何も知らない方が楽しめるので
この先ネタバレはしてませんが、
映画好きな人なら一言のヒントで大体想像してしまうのでご注意を。

事件で頭を撃たれながらも生き残った一家の主人ピーターが容疑者とされるが
精神障害で治療を受け、共同生活施設に移されたものの行方不明。
ウィルの家族は怯えながら暮らすことになる。

物語の早い段階で衝撃的な事実が明かされるので、
通常なら「えっまたこのパターン!?」のところが
誰もが気づくとか予想することがないうちで意外だった。

悲しい真実と結末の中で
かすかな希望の見えるエンディングなので
落ち込むことはなかったけど
やはり007のような高揚感はあじわえず。




0

2012/12/4

映像美学の傑作っ?  映画

クリックすると元のサイズで表示します
『ゾンビ』『デモンズ』が大好きで、
ダリオ・アルジェントの
『4匹の蝿』('71)
を鑑賞。
日本公開から37年ぶりに復活した動物や昆虫を謎解きに用いた“動物3部作”の最終章
ファンたちによるヤフーレビューがほとんど満点だったので、
観たい作品を後回しにして借りてみた。

予想に反して、ホラー映画ではなくサスペンスだった。クリックすると元のサイズで表示します
“独創的な映像美でファンを魅了し続けるイタリアンホラーの帝王の幻の傑作”という仰々しい説明なのだが…
なんじゃこりゃーっ!
学園祭で自主上映でもしてそうなレベルの、いやそれ以下の殺人シーン。
人の頭に凶器になるものがじわーっと近寄る。悲鳴!殴打シーンらしい。

ドラマーの青年が、見知らぬ男に見張られて、逆に追い詰めたところ相手の持っていた刃物で殺してしまう。タイトルに出てくる↑マヌケな仮面をつけた人物に現場を撮られ、心理的に追い詰められていく。そこから連続殺人が起こる。果たして犯人はっ!?

それにしても何と好意的なレビューなんだろう、
ツウなファンたちは、女優ミムジー・ファーマーの登場や映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネの音楽にいたく感激している。知らなくてスミマセン、と一応謝っとこう

ストーリーは確かにこの時代にすれば驚くほど斬新である!
まさに今流行りのサイコパスによる連続殺人、幼少期に親から受けた虐待オネエ言葉のおじさん探偵など、
現代の犯罪小説やドラマのほとんどにその要素が盛り込まれている。
中でもウソかホントか、殺された被害者の網膜に数時間最後の映像が残っている!らしい。アメリカやドイツではかなり研究が進んでいるとも。眼球を取り出して何かを施すと見ることができる…と、再生したところ4匹の蝿が映っていた。なぜ4匹が並んでいるかというのが謎解きの鍵になる。
ラストの、映像こそちゃっちいが
犯人の車が前の大きな車に突っ込んで首が飛ぶところも衝撃的だっただろうなー。
このアイデアはその後イヤというほど見る。
アルジェント本人が『サスペリア2』でも使っているか…。
こっちは面白かった。子供の頃に見ていまだに忘れられないシーンだ。ペンダントをしている時たまに思い出して、背筋がゾクッとしたりする。

0

2012/12/3

パーフェクトな紳士!  映画

クリックすると元のサイズで表示します50周年記念作
007スカイフォール


しょっぱなからダニエル・クレイグ演じるボンドの登場で
そのシルエット、肩のライン、スーツの着こなし…
あまりのかっこよさにしばらく字幕を追うのも忘れてしまった

CМで流れる、後ろがふっ飛んだ電車に滑り込むシーン。
とんでもない戦いの最中だとは思えない
パーフェクトな紳士の立ち姿でスーツの袖口を直す仕草。
ぴたーっとしたトムフォードスーツがステキ過ぎるっ

スパイの命は国の情報よりも軽いという悲しすぎる掟が
冒頭から衝撃的に描かれていた。
映画とわかっているのに思わずああ!」
叫んでしまいそうになり、
危なすぎるスタントにハラハラしまくったところで
いつものクラシック感漂うオープニングロール
ムード歌謡のような主題歌の歌詞に悲しさはさらに大きくなった。

クリックすると元のサイズで表示しますシリーズ最高の面白さと言われているこの作品、
今作はスパイ活動というよりMI6での揉め事を描いている。
Мを演じるジュディ・デンチの回といったところ。
悪役のハビエル・バルデムの顔の大きさだけでもインパクトがあるのに、
その上に隠し玉を持っていて、あのシーンは見逃せない!
さらにはボンドの生家や生い立ちに至り、
現代におけるスパイの存在危機までが描かれる
ジェームズ・ボンド総決算というところだ。
もちろん←あの車も登場
それにしてもダニエル・クレイグのアクション!
普通の俳優なのに動きが切れすぎていて、カンフーやダンスをやらせたら相当なものになるのではないかと思う。
アクションシーンの設定、ひとつひとつの動き、よくあれだけ面白いことを考えられるなあと、
ストーリーに入り込んで鑑賞しつつも全シーンのアイデアに感心させられた。
これは見るしかないでしょう!!

深夜ショーンコネリー『ネバーセイ・ネバーアゲイン』(゚83)を観た。
ボンドガールがキム・ベイシンガー
やっぱり体型も動きも昔の映画だ、全く違う、違い過ぎる。
ヘルメットをかぶりバイクに乗る姿に思い切り無理があった。
さすがにダンスはさまになっていたが…。

0

2012/11/29

寅さん化計画?  映画

クリックすると元のサイズで表示します
ドラマの映画化でも高評価
任侠ヘルパー

ほとんどのレビューが「草なぎカッコイイ」なので
150%の期待で見に行った。
これまでも草なぎ剛は天才!と言ってきたが、
この巽彦一役ではとにかくかっこいい男を演じている。
最近まで再放送されていたドラマ版ですでに、
最高レベルのかっこよさに達していたので
その点は映画でも変わらず、いつも通りだった。

クリックすると元のサイズで表示します冒頭、堺正章にまず驚かされた。
予備知識なく見たのが正解だった。
最も楽しみにしていた風間俊介
彦一の子分となる若者役だったが、
期待したスペシャルな演技の必要がないキャラで…残念
(私のまわりで今注目のNHKの朝ドラの愛(いとし)役の方がずっとおもしろい)。

かっこいいとは言ってもヤクザはヤクザ。
その性分や背中の刺青が原因で、
男気を見せたせいで結局警察に追われることになってしまう。
働ける場はやはり極道の世界クリックすると元のサイズで表示します
行き着いた「極鵬会」という組で、
老人宿泊施設を任され、お年寄りへの融資や年金の搾取で稼ぐということに。
が、その施設のあまりの悲惨さにヘルパー魂が炸裂!
同じく、地元議員演じる香川照之(またまた登場!)は理想の施設づくりを構想中で、現役弁護士としても極鵬会と戦おうとする。
見所はお年寄りたち!管理人役のリリイもおもしろい!
劣悪な環境に押し込められた状況から
人間らしさを取り戻した状態、ユーモアも含めたその描き方に感服。
全ての人に訪れる“老い”を知る勉強にもなる。

↓ここから先は見てから読んでください。
存在を気づかれないように閉め切っていた施設に活気を取り戻し、
人々が集う場所に変革したことで
極鵬会と戦うことになる彦一は一体どうなるのかっ!?
土地開発にからむ不正入札の現場に単身踏み込み妨害。街を救う。
全てを終えて潔く極鵬会にその身をさらす彦一だったが
間一髪で議員の捨て身の救出で、
警察に追われる身で街を去ることになる。
映画版では壮絶な覚悟のストーリーを期待していたので
ハラハラ不足な上に、『任侠ヘルパー』としての決着もつかなかったので消化不良。
確実に続編があるということか。
土地から土地へ新たなお年寄りの施設を求めて旅に出たのでは
平成の『寅さん』である。
毎回タイムリーで新鮮なストーリーでおもしろければ続いて欲しくもあるが。

夜、また『007カジノ・ロワイヤル』が放映されていた。
こっちは、かっこ良さのレベルが数段上!それはしかたない!
全カット、全アクション、全ダニエル・クレイグから目が離せない!
そして来週は『慰めの報酬』が地上波初登場!
新作『スカイフォール』はあさって封切り日に座席予約済み!
見る前からしびれそうっ!

0



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ