2014/6/12  20:03

2年ぶりのイワナ  源流釣り

素人氏と出かける遊びと言えば・・・もう釣りしかありません。かつての【やどろくの会】の遺志を継いで、今でも年に2回は出かける事にしていて。

昨年は私が屋久島や北海道を飛び回っていて、また秋には腰痛で結局源流のイワナとの対面はできませんでした。

ですから今回は実に2年ぶりなんです。しかし今でも声をかけてくれて・・・ありがたい・・・というか、大切な仲間なんです。

果たしてこの雨で沢に入る事が出来るか不安でした。それでも行った以上は装備を身に着けて入渓。

沢の水は普段の2倍程度で、見事なササ濁り。若干の雪代(ゆきしろ・・・この時期の雪どけ水で、沢の水は白く濁る特徴がある)もあって濁りは最高の状態。

こんな日は我々プロの釣り師は【釣る】とは言わず、【釣れた】と言うんです。ビギナーが大釣りして喜ぶのもこんな日。

早い話が・・・魚さえいれば誰にでも釣れる日なのです。

逆にもっと水量があって、危なくて入渓できないのでは・・・と思ってましたから、入れただけで超ラッキー。

はるばる埼玉から長野県の大町ですから、行った以上は沢の様子だけでも確認しないと・・・。

雨をものともせずに入ってしまうやどろくのメンバー。

今日は妻が『久しぶりにイワナが食べたいので、釣ったら持って帰って来て』

何としても型の良いのを一匹欲しかったのですが、食べごろサイズが出ました。

素人氏が7寸を次々と上げていたのですが、良い型が出た私が自慢気に見せると・・・いつの間にか素人氏も良い型を3本上げていて・・・。

今日の私は上手く合わせられず、何本もバラしていました。逃がした魚は大きいと言いますが、間違いなく一匹は尺越えでした。

それにしても何度行っても必ず【釣れる】沢で、優秀賞をあげたいような沢です。

釣れて調子に乗ってたら石を踏み外し、尖がった岩にお尻を打ち付けて・・・お尻に見事な青あざができてます。明日、朝起きたら物凄い痛みかも。

年を取ると気持ちと動きがアンバランスになって、沢などでは良く転倒するようになりました。おまけに転倒した拍子に竿まで折ってしまって。

弘法大師の弟子になって殺生を止めた相棒から貰った竿も、手尻の栓が無くなってしまって前にでは無くて・・・後ろに伸びる珍しい竿に変身しました。

あと何年できるか判らないので渋っていたけど・・・必要な投資もしないと精神集中ができなくて事故を誘発するリスクも増えますよね。

写真は上の方が素人氏、下の方が私。2年ぶりのイワナです。
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2013/9/23  20:13

釣りのシーズン  源流釣り

我々【やどろくの会】が遊ぶ源流域でも、イワナの種の保存のため産卵期である10月以降は禁漁になります。要するに釣りをしたら条例違反になるんです。

とは言え山を幾つも越えた渓谷まで、監視員やお巡りさんが来るわけではないので・・・見つかる事はあり得ません。しかし自然を大切にしながら親しむことを自負していている私たちは、イワナに平気で負荷をかけられるほどモラールが低い人間でもありません。

春の解禁時期は地域でまちまちですが、秋の禁漁時期は全国ほぼ一斉何です。釣りシーズンは残すところ数日になりましたが、今シーズンは行けそうにありません。

毎年付き合ってくれる友には悪いんですが・・・その分来年は何倍にもしてお返しします。月末頃に体調が良かったら釣りにも行ける・・・と思っていたんですが、結局玉川温泉にも行きたいので日程的に無理に。

それにしても8月以降の私は、病院通いに明け暮れていて呆れます。9月の貴重な連休もすべて無駄にしてしまって・・・今年の前半が好調だっただけに、ギャップが大きすぎて納得できていません。早く復帰したいなあ〜。

膝もほとんど回復して痛みは無くなっているし、坐骨神経痛も長時間でなければ自身も出てきました。この3日間が心配でしたが、乗り越えられましたから。

そろそろ野山を駆け巡る、元気な私をお届けできそうです。DVDばかり見ていたので、贅肉だけが蓄積されました。だってお腹が出たのに体重は減っているんです。これって・・・筋肉が無くなった証でしょう?

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2013/6/18  20:09

長野への釣行中止  源流釣り

素人氏と今晩から出かけて、長野で釣りをするつもりでした。これはここ数年続いてきた二人にとっては行事みたいなものでした。

ところが大雨になりそうで・・・雨が降れば川が増水し、魚は活性化して釣れるようになるんですが・・・。今年初めての本格的な雨ですから、沢の状況は不安定に違いありません。

これで本格的な雨が・・・流れるものは流してくれて、浮いている石も安定させてくれてからならそれほど心配もないのですが。

特に今心配なのは雪渓などがダムの様に水を堰き止めていたりすると、鉄砲水になる可能性があります。

それに雨に打たれながら遊ぶのも、かなり辛いので・・・今日は中止にしたのです。

さてまたまた【大石川西俣】の5回目です。

《撤退》

下から素人が呼びかけている。「鉄人さんが上に見えます。大丈夫そうだから降りてくだい。」

「わかった。いま降りて行く。」と返事をしたが、どうも聞こえないらしい。何度も何度も呼びかけてくる。私は慎重に下降しだした。

上りは二回も枝がおれた。まったく肝を冷やしたが、下りはもうゆっくりでいいのだ。潅木帯をぬけるとあと10メートル程だ。素人が私をみつけてホッとした顔をしている。

最後の壁はより慎重に支持点を探した。ここまで来て落ちたくはない。「10メートル」はこんなに恐怖心が沸かないものなのだろうか。「さっきの高さに比べればなんてことはない。」とつい思ってしまう。

下に降りると確かに鉄人が見える。なんて逞しい男なんだ。林道から手を振る鉄人を見て私は一気にひざの力が抜けていくような気がしたが、気持ちを奮い立たせおもいっきり手を振ってこたえた。

まだこれからなのだ。沢を下って安全に帰らなければ。二人は歩きだした。小さいながらザイルを引っかけるところもないゴルジュの中の滝は、本当にやっかいだった。

まず私がザイルを確保して素人を滝の下におろし、その後私がフリーで岩壁を伝っておりる。これをいくつ繰り返したろうか。

本流に出ても高まいた滝がある。でももう高まきはゴメンだ。力も残っていない。素人に「泳ぐぞ」と話し、ザックを釜(滝つぼの事)にほうり込ませ飛び込ませた。冷たい流れはむしろ我々に「渇」をいれてくれた。

入渓点では鉄人がすでに汗でグッショリの衣服を脱ぎ捨て、我々の到着を待っていてくれた。鉄人の無事な姿が目に入った時、思わず目頭が熱くなる自分を感じた。無事である事はすでに確認していたのに・・・。

私は釜の泳ぎで濡れてしまったタバコを握り潰し、新しいタバコをザックの中からとりだして火をつけた。長い間タバコを吸う事を忘れていた。私が吐き出した煙りは、青空の中にゆったりと揺れながら消えて行った。

《エピローグ》

岩壁を上って行った鉄人に、大自然は本当に厳しい試練を課した。途中で自分を落ち着かせようと、二回も歌を歌ったという。

林道に出る手前では、壁は垂直どころかオーバーハング(反り返っている状態)。絶対絶命の時、信じられない事に岩壁の真ん中に一本の木の根が出ていたと言う。

このわずかな大自然のいたずらが彼を救った。岩を砕いても根を伸ばす樹木の生命力・・・。なんと逞しい営みだ。大自然が課した苛酷な試練から、したたかな自然の営みが鉄人を救った。

やはり人間は大自然の中では一つの生命体にしかすぎないのだ。自然を征服しようとするなんておこがましい。むしろ大自然に翻弄されながら生きていかなければならないのだと実感した一日だった。

また帰る事ができた。帰してくれてありがとう。

写真は胸まで水に浸かって遡行するやどろくメンバーです。沢では日常茶飯事です。右側の水中に居るのが解りますか?

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2013/6/16  22:16

誕生日と父の日  源流釣り

今日は確か・・・父の日?  私の誕生日とものすごく近い。そのお蔭で父の日と誕生日の二つのプレゼントが届くことも珍しくないのです。

今日も姪からバッグとピアードパパのシュークリームが届きました。私は甘いものに目が無くて、自分ではスイーツ評論家と豪語しています。夕食後のデザートで先ほど頂きました。

娘からは北海道行きのフェリーのチケットです。妻の親友の娘(うちの娘とは兄弟同然)からは寄せ植えの花籠でした。

また話題の中心になれるのは1年後ですが、楽しみに待ってます。

さて今日も大石川西俣の第4回にお付き合いください。もう少しで終わります。
この失態の後、私たちは20年間も無事故で山遊びができました。前にも言いましたが・・・確りと教訓にしたのが、今ある所以です。

《九死に一生》

やりきれない時間が続く。いたたまれない時間が過ぎて行く。私は救助に向かう必要があることを想定し、素人の制止を振り切ってザイル回収に向かった。

“行きはよいよい 帰りはこわい” 
帰りはザイルなしで、一つ一つ支持点を探しながらのフリークライム下降だった。

どんなに危険であろうと二次災害が起きようと、私にはそうしない訳にはいかないリーダーとしての責任のほかにもう一つの理由がある。

それは平成4年の春、佐梨川のゴルジュを下降している際の出来事だった。先に途中のテラス(岩棚)に降りた鉄人に続き私が降りて行くと、足をかけた木が突然折れてしまった。

滑落しだした私に鉄人は、自分も一緒に谷底に落ちる危険を冒し、抱きついて止めてくれたのである。立ち上がって二人でテラスから谷底をのぞいて見ると、十数メートル下、岩盤の上を水がチョロチョロと流れているだけだった。

落ちていれば完全に命はなかった。鉄人の自分を捨てた行動によって、私は今ここにいる事ができた。だから今度は私が全知全能で、彼の安全を確保しなければ・・・。

この枝沢の狭いゴルジュの中では、いっぱいに後ろに下がってもせいぜい5メートル。後ろの壁に背中がすぐついてしまい、途中の潅木帯に視野が遮られてしまう。上の様子は全く知る事ができない。

二人は懸命に声をそろえて呼びかけ、上の状況を知らせてもらおうとした。しかし・・・。

もうこの壁に鉄人がとりついてから30分も経過したろうか。突然「パンパンパパーン」と爆竹の音が谷間に響きわたった。この音は何を意味するのか。

「よし、救助に向かおう。」と私は決断した。この時私は不思議なほど落ち着いていた。「少なくても両手を使える状態である事だけは確かだ。」と踏んだ。

「どこか壁の途中で動けなくなっているのであれば、ザイル一本で救出できる。」と確信した。素人には今後のこと、私に事故があったらとにかく沢を下り、入渓点まで戻るように指示し壁にとりついた。

先程ザイルを張ったルートから2〜30メートルも下ると、比較的壁の下のほうまで潅木が生えている場所がある。私は咄嗟にそのルートを選んだ。素人を踏み台にして最初の支持点を得ると、あとは何とか3点を確保できそうである。

岩壁を、また潅木の中を懸命に上った。1秒をあらそうように。この時の私の素早さを、後日素人が笑いながら話す。「あの時の素早さは普段会社でモタモタしている師匠からは考えられない。」と。

途中枝が折れて落下しそうになったり、支持点がなく木から木へと飛び移ったりと・・・。40メートルも上ったろうか。鉄人の声が聞こえだした。

なる程、もう滝の音は大分小さくなっている。また進むともうはっきりと言葉が判った。
「大丈夫だからそれ以上来ないでください。」と鉄人。

「上についたのか?」「林道にでたのか?」

「でました。大丈夫です。」「わかった。じゃ素人さんをつれて戻るから入渓点で会おう。」

続きはまた後程。何とか無事に数十bの岩壁を乗り越えられたようですが・・・やどろくはこの後どうなるのでしょう?
写真は後日のモノですが、大石川西俣の遡行シーンの一コマです。
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2013/6/15  22:17

センイル  源流釣り

何度も言ってましたが、今日は山行の予定でした。しかし昨夜の天気予報では雨なので、中止にして朝ゆっくり起きました。しかし待てど暮らせど雨は降らず、十分に山に行って来られました。暗くなってからやっと雨らしくなり、久しぶりに恵になりました。

今日は私の誕生日。嫌ですけど・・・6α歳になりました。来年の今日からは70歳に日々近づいて行きます。今までは戻る方が近かったのに・・・。

ちなみに韓国語で誕生日は『センイル』。『セン』が漢字で言うと『生』で、『イル』が『日』です。ちなみに【生年月日】は『センニョンウォルイル』。もうわかりますよね。セン・・・生まれる、ニョン・・・年、ウォル・・・月、イル・・・日。

ちょっと知識をひけらかしました。ハングルを勉強しても、試さないと力にならないので、韓国旅行も早く行きたいんですけどね・・・。

さて今日も小説まがいの遡行記にお付き合いください。第3回です。

《挑戦》

全員が思わず「ウワァーッ」と声を発した。なんと沢はここで行き止まるかのように、天から落ちる滝となって岩壁の奥へと消えている。

この滝の下にもすばらしい釜があり、きっと大物がいたことだろう。しかし、だれももうそんな余裕は無い。この先どうしたらいいんだ。林道まではまだ6〜70メートルもあるにちがいない。

最初の草つきこそまだ角度はゆるやかだが・・・。それでも75度はあるだろう。10メートルも上ると岩壁は完全に垂直である。装備は25メートルの6mmザイル一本。

リーダーとして私は「撤退」の決断をすべきだった。しかし、トップがクリアさえすればと考えていた。ゆるされない過ちである。

鉄人がアタックを開始した。25キロもあるザックを背にしたまま・・・。25メートル付近まで上った鉄人が、木にザイルをしばり下に降ろした。そしてさらに横にヘツり(横に移動する事)ながらアタックを続けて行く。

続いて素人がザイルを頼りに上った。25メートル付近から素人も潅木(かんぼく⇒低い木)に掴まりながらヘツりだした。

しかし素人の右上方で鉄人は、支持点が見つからず完全に立ち往生していた。下から声をかけると、「ダメだ」と言う様に首を振っているのが見えた。

この時、上では鉄人が素人に「これ以上無理だから戻れ」と声をかけている。ザイルから相当離れてしまった二人は、進むに進めず戻るに戻れない状況に陥ってしまった。

それでも二人は岩壁と懸命に戦っている。私は完全に行き場を失った二人を、下からただ見ているだけしかない。実に苦しい時間が続いた。

じっと耐える時間が続いた。私の頭の中では色々な想いがかけめぐった。最悪のケースも頭をよぎった。こうした状況が改善されようとしないまま続く。

だがやっと状況が動き出した。再び鉄人が上りだし潅木帯の中に消えて行ったのである。一方、素人はヘツりながらザイルに戻ろうとしている。私は必死に声をかけた。

「左の木に掴まれ! 」「木がしなるからザイルのところへ降りれるはずだ」などと・・・。やっとの思いでザイルにたどり着いた素人は、何とか無事に戻ることができた。

素人に鉄人は「何とか上りきる。」と言った。確かにあそこからでは戻る事は不可能だったろう。

「鉄人なら大丈夫だ。やつならやってくれる。」私はそう信じていたが、しかし、目に見えない状態が長く続くと不安は募る一方だ。

下から二人で声をかけるが、ロケーションが悪すぎた。鉄人からの声は滝の水音でかき消されてしまうのである。

明日に続く。写真はこの日のモノではありませんが、後日の大石川西俣の下流部です。増水しても逃げ場のない川なのが良く判ると思います。
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