2012/8/12  22:47

炎の激走 聖岳 1  百名山・南アルプス

登山に出発する前に殺虫剤で消毒したヤマモモ・・・殺虫効果があったようで新しく増えた虫の巣が見当たりません。しかも新しい若芽がドンドン増えて、緑で覆われてきました。
もう少ししたら再度消毒して確実に駆除します。アドバイス頂いた鉄人さんには『感謝』です。

さて今回の山旅に話は戻ります。今回登頂した峰々は【日本百名山】の赤石岳(二度目)と聖岳、そして【日本百高山】の大沢岳・中盛丸山・兎岳・・・3.000b級の峰々をコースとしてぐるっと回ったのでした。

南アルプスの中でも特にハードなコースで、このコースを歩こうと考える人はある程度ベテランです。ですから知り合う方もほとんど山に精通していて、小屋での談笑も楽しく盛り上がります。山ではそれも大きな楽しみの一つなんです。

ところが一泊目の赤石小屋では、食事の付かない素泊まりの私だけ別の建物に泊められたんです。これが・・・何か・・・ジメッとした感じで、ダニでも取り付かれそうで不安でした。

そこで一人で食事の準備をしても・・・楽しくありません。
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本館には単独行の方も居たので話のできる方を探しに行くと、岩手から来たという方と話すことができました。私のホームページに来てくれるそうです。

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狙い通りに二日目は朝から良い天気・・・赤石岳の稜線を見上げると【下弦の月】が空に残っていました。

3時間ほどの登りで二度目の赤石岳に登頂成功。なぜかこの山の頂上では強風に煽られます。ひょっとしたら今月もう一度赤石岳に登れますので、また強風に煽られるめぐりあわせかもしれません。

赤石岳からも富士山が綺麗に大きく望めました。これから挑む聖岳も視界のほとんどを占めるように、目の前にどっしりと座っていました。

山頂には日本最高点の【一等三角点】があります。日本最高点の三角点が富士山や標高二番目の北岳にあるのではなく、標高で8番目の赤石岳にあるのが不思議でもあり・・・面白くもあります。
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赤石頂上避難小屋で30分程休憩して、二日目の宿泊地に向かいます。百間洞山の家・・・
小屋から2時間も下ると到着ですから、二日目としては5時間ほどしか歩かないことになります。昨日が4時間半で今日が5時間ですから、二日合わせて何時もの1日分。

今日は私も2回しか目にしていない花を紹介します。【タカネビランジ】は赤色と白色がありますが、今回はどちらの色も岩壁に貼りついて咲いていました。まるで新進の華道家が生けたアートのようですらあります。とっ・・・いつも思うのですが、でも【自然の造形】ってやっぱり造られたものとは味が違います。

言い古された言葉ですが・・・もし誰かが作ったのであれば・・・それは神の手に依るものに違いありません。
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アップするとこんな花です。下界でしか生活しない方が一生目にすることのない花々が沢山咲いていました。何日にか分けて紹介します。
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2012/8/7  20:50

南アルプス縦走  百名山・南アルプス

35リットルのザックがパンパンになっても、まだ全部の食料が入ったわけではありません。前回の飯豊山登山の時、あまりに軽量化を意識したためほとんど主食だけしか携行しませんでした。大食いの私としては・・・何とも侘しい食事に、山の素晴らしさも半減したのでした。

今回は自分で栽培したトマトや缶詰類、お酒は先日姉がお土産に持たせてくれた、紫波杜氏が鍛えた純米吟醸をペットボトルに移して・・・これは妻に内緒です。『何も山で飲まなくても良いでしょう・・・呑兵衛なんだから』って言われるのが目に見えていますので。

ラーメンの日には餅のトッピングが付きます。天然酵母で日持ちのするパン、このパン食の朝はスタバのインスタントコーヒーを持ちました。そして全部の食事に玉子スープが付きます。

途中の行動食はフルーツたっぷりのゼリーとウィーダーインゼリー、カロリーメイトなど。
この後おつまみ用に乾き物をコンビニで買って・・・晩酌も食事もほぼ完ぺきに・・・楽しい食事を思い浮かべながら、頑張って担ぎ上げます。

きっと心に潤いを感じる食事ができる事でしょう。その分・・・先にも言いましたがザックはパンパンで、背負っては重いはずです。

コースは畑薙ダムから椹島へ、そして赤石小屋に泊まります。赤石岳に登り大沢岳を経由して百間洞山の家に泊り、3日目にいよいよ目指す聖岳に登頂します。そしてその日は聖平小屋に泊まります。

そのあとは天候が崩れそうですから・・・椹島に下山するか茶臼岳を廻るかは決めていません。天候が持ってくれて茶臼まで行ったら再び様子を見て・・・さらに一日天候が安定しそうだったら光岳をピストンします。

そして畑薙ダムに下山・・・こんな風に考えています。いずれにしても天候次第ですし、体調も・・・左足の裏側が何時痛みだすか?

何とか光岳まで今回終了させることができれば、言う事無し・・・なんですが。欲張らずに行ってきます。

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2011/10/8  20:04

辛い山旅が終わる  百名山・南アルプス

赤石岳の山頂にも避難小屋があり、イザと言う時にはここに逃げ込めるのが今回の山旅の強みでした。手前の荒川小屋から2時間、これから下る赤石小屋までも2時間で、何とか2時間を歩き通せば最悪の結果は避けられる位置なのです。

体感温度はおそらく氷点下、風速は20b以上の風が稜線上で猛威を振るっていたのに、ひるまずに進めたのはこれらの小屋のお蔭でした。
写真は赤石岳山頂にある避難小屋です。
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赤石山頂到着の時間は予定の12時半を少しだけ短縮しています。これから数時間一気に下る事を考慮して、風を避けられる所でエネルギー源をお腹に入れました。もう満足なモノは残っておらず、数片のドライフルーツとカントリーマームを数個胃袋に。

あとはとにかく下る・・・下る・・・とりあえず赤石小屋を目指します。下り始めてからは風の影響を受ける事もなく、逆に暑くて汗がいままでの分を取り返すほど吹き出し、Tシャツはびっしょりと濡れていました。

赤石小屋も予定通り通過です。夕べの睡眠不足を解消するためにも、何としても椹島まで下って・・・個室で眠りたい。椹島ロッジには個室があるんです。そして風呂にも入れるのが魅力なのです。赤石小屋は見向きもしませんでした。

携帯が通じなくて妻に行動予定を知らせる事ができないなど・・・いろいろありましたが、椹島に無事到着して衛星電話で妻にも確り連絡が取れました。遥かなる山旅は無事に終焉を迎える事ができました。多くの方と語り合った【良い旅】でした。

椹島まで無理して下山した理由は
・個室で大イビキで眠る事ができる
・風呂に入ってサッパリできる
・明日の朝一番のバスで帰途に着ける
などです。

椹島ロッジはアパートのような造りの建物が何棟も立っています。レストハウスやキャンプ場なども完備していて一大登山基地となっています。宿泊定員は200人で夏のベストシーズンでも予約がいらないほどのキャパシティがあります。
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予定通りその一室で8時頃には高イビキで寝ていたと思いますが、若干の目論見違いもありました。
というのは・・・5時半から夕食と言われて食券を貰っていたのに、食堂には連絡が届いておらず(あるいは調理場が忘れたのかも?)、食事は用意されていませんでした。

行ってからしばらく待たされて食事だったのです・・・が、手違いは良くある事ですからいちいち気にも留めません。
【大きな気持ちで】受け止める事ができなければ男ではありません・・・でも、翌朝の食事も私の分は無かったのです。大きい気持ちも・・・少ーーし小さくなっていました。

もう一つ手違いがありました。確かに持ったはずの着替えがザックに入っていなかったんです。折角お風呂に入ってサッパリしたのに、下着が入っていない・・・仕方なく、下りで大汗をかいた下着を再び身に付けました。

山男の下着は速乾性ですからすでに乾いてはいたのですが・・・下世話な話で恐縮ですが・・・何とも汗臭いんです。夜布団に入ってからこの匂いは強烈で、眠りに落ちるのに30分は悩まされていました。

写真は東海フォレスト系の山小屋の宿泊料金の領収書です。これを提示して送迎バスのチケットを受け取り、初めてバスに乗れることになります。
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2011/10/7  21:59

限りない寒さとの闘い  百名山・南アルプス

悪魔のように襲い掛かる冷たい北風・・・頬が切り取られるように痛んで・・・とうとう我慢できずに首に巻いていたウールのマフラーで覆面に。そのマフラーに垂れ落ちる鼻水が沁みこんで・・・更に冷たくまとわり付くのが余計に辛く・・・。

このままでは家に風邪を持ち帰ってしまう事になりそうで、早く荒川小屋に向かって南斜面を歩きたい。幸いにして・・・目指す3.000b峰の【荒川中岳】も【荒川前岳】も僅かな時間で山頂に立つ事ができ、2座を一気に踏破した勢いで最終目的の赤石岳を目指しました。

荒川小屋が見えてくると・・・お花畑を鹿の食害から守るためにネットで囲まれた斜面を通ります。ここを通り抜けるためには自分で扉を開け、また自分で閉めなければなりません。鹿が開ける事ができないようにその扉にはナス環がセットされていますが、寒さに悴んだ指は操作ができず何とももどかしい事・・・。

完全に握力は失われ指の感覚はマヒし、時間ばかりが経過していきます。仕方なくグローブを外して操作するのですが、それでも普段では考えられない処理能力の低下です。
きっと厳冬期の山での遭難は、こんな状態の延長にあるのでしょうか。
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写真はグローブをはめたままでは操作できなかった、ナス環。鹿どころか人間さえ開けられません。こんな扉を4か所開閉してお花畑を通過します。

荒川小屋は予定の10時前に到着、計画通りここで昼食に・・・メニューを見ても食欲を刺激してくれそうなモノはありません。仕方なく成り行きでおでんを頼んだのですが・・・これがまた袋を破いて温めるような・・・家では絶対食べたくない不味いもの。半分残してしまい・・・極限の状態で餓死しそうな時でも、食べきれる自信はありません。

私のおでんの拘りは・・・絶対に【コブ】と【玉子】と【コンニャク】が入っていなければなりませんが、何故かコプとコンニャクが入っておらず練り物ばかりのおでんでした。
不味いうえに・・・好きなモノが入っていなかった【おでん】は拷問のようでもあります。
写真は近づく荒川小屋です。
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寒くて・・・お腹が空いても食べられず・・・そろそろ脚力も限界に近づき・・・二重にも三重にも試練は私に襲い掛かります。それでも・・・まるでヘレンケラーのように試練に立ち向かって、最後の3.000b峰【赤石岳】を目指しました。

2時間の厳しい登りを克服して、とうとう赤石岳の山頂に立ちました。百名山の81座目の登頂と、今回の山行の目的をすべて達成した事になります。この後は安全に下山する事だけに神経を集中させなければなりません。

写真は赤石岳山頂標とその右に一等三角点です。赤石岳の一等三角点は日本最高点の【一等三角点】です。最高点が富士山でも標高2位の北岳でもなく・・・有名な穂高や槍ヶ岳でもないのが、不思議だと思いませんか?
標高では7位の赤石岳に最高点とは・・・何故?
あくまで地図を作るための測量ポイントであって、標高の問題ではなかったからでしょうね・・・きっと・・・。
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2011/10/6  17:26

小屋あればこそ  百名山・南アルプス

前夜、百枚小屋に泊まった方々の内、百名山のご夫婦と女性の単独の方は下山し、もう一組のご夫婦とイエネコさんと大石さん(仮名)と私はいよいよ縦走開始です。

千枚小屋から千枚岳への登りは短いものの急登で、夕べあまり眠れなかった私は既に顎を出していました。汗が吹き出し・・・アンダーウエヤーはしっとりと濡れた状態。あまり濡らしたくないので体温調節のため雨具を脱ぐ事に。その間にご夫婦が抜いて行きます。

ご夫婦は奥さんが健脚で、旦那さんは常に距離を置かれていましたが・・・二人は荒川小屋までほとんど私から離れずに歩いていました。結局、小赤石への登りで急ぎ足の私と離れてからは、再び会う事ができませんでした。無事下山された事でしょう。

稜線に出ると先ほどの汗が嘘のように・・・切れるような風の冷たさが体温を奪っていきます。千枚岳頂上で再び雨具を着込んで歩き始めました。大石さんはここで大休憩のようで、やはりこの後お会いする事はありませんでした。千枚には少し注意の必要な岩場の下りがあります。

丸山から悪沢岳はあっという間で、おそらく15分ぐらいではないかと思います。耐風姿勢を取りながら進むので、とても時間を見たり・・・ましてやそれぞれの山頂で山座同定する余裕などありません。寒くて・・・寒くて・・・とにかく先を急ぎたい。

悪沢山頂にはイエネコさんが見えています。寒いのに我慢して立っているようですが、誰もいなくて写真も写せないのでしょう。私が到着する前には下山を開始し、山頂の直下でお会いしました。アドレスを頂いて・・・お互いの健闘を祈りながら・・・お別れ。
イエネコさんはここから下山しました。
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悪沢から中岳の下りでも長い岩場の下りが待っていますから、寒さに気を奪われず再び気を引き締めて挑みます。

しかしこの寒さにどこまで耐えられるのか・・・と言っても今更引き返す事もできず、前に進むしかありません。唯一、そう決心させてくれる強い味方が【山小屋の存在】なんです。
イザと言う時にはそこで待避していられます。このコースは比較的均等に小屋が設置されていて、長いコースの割には安心出来るコースでもあります。

荒川三山の中岳にある避難小屋
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荒川前岳付近でもここに待避できます。気になったのは小屋の中に『トイレをするな』という張り紙があったので、冬季の解放時に小屋の中でトイレをする登山者がいるのでしょう。
呆れますね・・・みんなの財産なのに・・・『もう来ないから良いや』とでも考えるのでしょうか。

中岳〜前岳と3.000b峰を快調に踏破していきますが…寒さは顔の感覚や手の感覚を奪い、そして雨具の中も一旦出た汗で決して快適ではありません。何より心配なのは稜線に出てから水をまったく飲んでいませんでした。その必要が無いほどの寒さ・・・。

この程度の寒さは何度か経験してはいます・・・が、6時間にも及ぶ悪条件は初めての経験でした。もう気力だけが私を支えているんです。

しかし眺望は素晴らしく・・・冷たい風さえなかったら素晴らしい山旅でした。
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遮るものが何もない・・・天空の漫歩は深く記憶に残るはずです。
中岳とその向こうに荒々しく【赤石の肩】と【赤石岳】が見えています。

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