2010/10/21  14:11

リンパ腫とは&悪性リンパ腫 プロトコール治療の種類(選択肢)  悪性リンパ腫について

セカンドオピニオンに訪れた先生に頂いた資料を
転載させていただきます。
(2010年2月現在の資料)

医療現場は日々進化しているので
更に良い方法が編み出されているかもしれません。
あくまで情報の一環として掲載します。
今現在悪性リンパ腫と闘病されている、または、
これから闘われる飼い主さんわんちゃんのお役にたてれば
。。。と思います。



続きからどうぞ。

<リンパ腫とは>

リンパ球の「がん」
リンパ肉腫とか悪性リンパ腫とも言う。
全身のリンパ系に浸潤し、多臓器不全、血液疾患、
腫瘍随伴症候群により死亡する。
無治療では2ヶ月ほどで死亡する進行性致死性疾患。
抗ガン剤による化学療法が治療の主体となる。
多中心型であれば比較的高い確立で寛解が得られる。
寛解とは外見上も検査上も健康と変わらない状態にまで
治療効果が得られた状態をさす。
寛解状態であっても全ての腫瘍細胞が殺滅できているわけではない。
したがって寛解が得られたものも、そのほとんどが再発し
死の転帰をたどる。
数々のレスキュープロトコール
(再発を繰り返した際に使用する救命化学療法)
が報告されているが、その寛解率はいずれも低い。
よって、その寛解期間をいかに延長できるかが課題である。


<寛解を得るためにすべきこと>

抗ガン剤による化学療法を実施
多くの化学療法プロトコール(投与計画)が報告されているが
効果を得るためには多くの抗ガン剤を組み合わせていく
多剤併用プロトコールが適する。
また多剤併用プロトコールを選択することで
その後の寛解期間延長への可能性も上がる。


<推薦される寛解導入プロトコール>

※以下に示す治療プロトコールおよびその成績は
多中心型リンパ腫に対する治療成績です。
その他のリンパ腫については成績が異なる。


1)Wisconsinプロトコール25週

ウィスコンシン大学で作成されたプロトコール。
サイクロファスマイド、ビンクリスチン、プレドニゾロン
L−アスパラギナーゼ、ドキソルビシンの5剤を使用する
多剤併用プロトコール。
現在存在するプロトコールの中では最も良い成績が得られている。

寛解率 84%・生存期間中央値 12ヶ月・2年生存率 30%。

副作用は軽度の物も含めると、50%程度に認められますが
入院を必要とするような副作用は5%未満。
抗ガン剤の投与は、最初の9週間は毎週(5週目は休薬)
10週から25週までは隔週での投与。
副作用チェックは毎週必要なのでプロトコール中は
週1回のペースで来院が必要。
治療費は1回の抗ガン剤投与に付き、2万円程度。
(大型犬の場合は金額が異なります)


2)COPLAプロトコール12週

イリノイ大学で作成したプロトコール。
1)と同様5剤を使用する多剤併用プロトコールだが
投与順・薬用量・投与法などが違う。

寛解率 70%・生存期間中央値 12ヶ月

2年以上長期生存率は1)に比較して低く数字には出ていない。
副作用は軽度の物も含めて15%程度で、
入院を必要とするような副作用は5%未満です。
抗ガン剤の投与は12週間毎週行います。
副作用チェックも含めて週1回のペースで来院が必要。
治療費は1回の抗ガン剤投与に付き、2万円程度。
(大型犬の場合は金額が異なります)


<その他のプロトコール>

※様々な制限(身体的な制限・経済的な制限・など)
が存在する場合に使用するプロトコール。


☆COPプロトコール8週:
サイクロフォスファマイド・ビンクリスチン・プレドロニゾン
の3剤のみのプロトコール。

寛解率 60%・生存期間中央値 6ヶ月程度

副作用発生率は低い。
週1回のペースで来院が必要。
治療費は1回の抗ガン剤療法に付き2万円程度。


☆CPプロトコール:
サイクロフォスファマイド、プレドロニゾンの2剤のみのプロトコール。
経口投与のみの薬剤で構成されるプロトコールで
頻繁に来院が不可能な場合に使用するもので効果はあまり期待できない。


<それぞれの抗ガン剤の主な副作用について>

サイクロフォスファマイド(アルキル化剤):
骨髄抑制(白血球減少)・科学性出血性膀胱炎・胃腸障害・脱毛

ビンクリスチン(ビンカアルカイド):胃腸障害・末梢神経障害・
L−アスパラギナーゼとの併用時は骨髄抑制が起きる可能性が高まる
(単独では骨髄抑制作用は少ない)・血管外漏出で壊死・脱毛

L−アスパラギナーゼ(酵素):
アナフィラキシーショック・過敏反応・膵炎

ドキソルビシン(アントラサイクリン系):
骨髄抑制(白血球減少)・胃腸障害・
心臓毒性(蓄積性の心臓毒性。したがって投与回数に制限有り)・
血管外漏出で重度の壊死・脱毛・過敏反応

プレドニゾロン(副腎皮質ホルモン剤)
※この薬は抗ガン剤ではない。多飲多尿・多食・医原性クッシング


<寛解期間延長への新しいトライアル>

1)半身放射線照射療法を組み込んだプロトコール:

※現在は方法論の再検討に入っており積極的な実施は行われていない。

抗ガン剤多剤併用プロトコールで寛解に導いた後
放射新治療を全半身・後半身にわけて実施し
結果的に全身に放射線療法を施すことでより多くの腫瘍細胞を
殺滅させようという試み。
メガボルテージ放射線治療器が必要(日本では本州に数カ所)
アメリカ・ノースカロライナ大学では多く使用されているが
日本ではまだ数例の報告のみ。
ノースカロライナ大学で作成したプロトコールで
9週の多剤併用プロトコール後、
半身放射商社治療を実施するプロトコール。
2年生存率 27%、3年生存率 27%。
半身放射線照射療法については道の部分も多く
局所の放射線療法とは異なった奇特な症状を発症する可能性もあります。
しかし報告では発熱、食欲不振・脱毛などの軽度のものしか認められていません。
化学療法中は週1回のペースで来院が必要。
半身放射線照射は11週目に1回、14週目にもう1回
メガボルテージ放射線治療器を有する施設(日本では本州に数カ所のみ)
に連れて行く必要があります。
その際1回の治療に付きたいだい6日間の滞在が必要になります。
地浪費は1回の抗ガン剤投与に月2万円程度(大型犬は金額が異なる)
半身放射線照射には1回に付き15万円+旅費。


『放射線治療を行ったわんちゃんの記録』(参考)
http://www.makomanai-vet.com/hab/2004.pdf


2)事故骨髄移植を組み込んだプロトコール:
抗ガン剤多剤併用プロトコールで寛解に導いた後事故骨髄を採取し保存する。
その後、高容量の抗ガン剤投与により残存した腫瘍細胞を殺滅し
その治療によって失われた骨髄機能を前もって採取しておいた
事故骨髄を移植し救命するという試み。
人医療において、リンパ腫や白血病の里長で実施されているプロトコールと最も近い。
アメリカ・タフツ大学で現在トライアル中。現時点では臨床応用に至っていない。



(以上 Mどうぶつ病院 資料より 転載)
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